競売不動産の落札までの流れ
不動産競売(期間入札)の流れを簡単にフローチャートでご説明します。
競売開始の決定
ローンの滞納を2ヶ月続けてしまうと、まず金融機関から「代位弁済手続き開始の予告」という通知が届きます。 このまま支払いを滞納して3ヶ月になると「代位弁済手続き開始」という通知が送られてきます。そして金融機関は一括返済を受けるための手続きに入ります。金融機関は裁判所に競売の申立てをします。裁判所は審査をして「担保不動産競売開始決定」をして通知します。その強制的に売却するための手続き(執行手続き)を取ることを「抵当権の実行」と言います。
競売不動産の公告(4か月後)
競売開始決定通知から2か月~5か月程度で売却不動産の物件種別、事件番号、所在地、交通、面積、構造、築年数、売却基準価額、買受可能価額、入札期間、改札期日等の情報を新聞などで公開(公告)します。 公告から約2週間で競売不動産の物件明細書・現況調査報告書・評価書の「3点セット」が裁判所で閲覧ができるようになります、今では裁判所のホームページBIT競売情報システムから簡単に閲覧もできます。この時点で入札候補物件を決めて物件調査をいたします。
入 札 受 付(3週間後)
「3点セット」の閲覧開始から約3週間で入札が開始します、入札期間は原則8日間(東京地裁)です、この約4週間以内に物件調査を終えます。そして入札保証金(売却基準価格の20%)を納付のうえ、裁判所に入札書類を直接提出するか郵送して入札します。
開 札 (8日後)
入札締切日から原則8日後(東京地裁)に開札が行われ 最高価買受申出人(落札者)と次順位買受申出人が決定します。入札保証金は売却代金の一部にあてられます。 落札できなかった場合、入札保証金は10日前後で指定してあった口座に返却されます。
売却許可決定・確定日(2週間後)
開札日から1週間以内(東京地裁)に、最高価買受申出人に対し裁判所が売却許可を決定します。 最高価買受申出人に欠格事由があるか、売却手続に誤りがある場合以外は、売却許可決定は1週間後に確定致します。この期間を執行抗告期間といいます。また債務者からの異議申立(執行抗告)が出れば確定日は延びます。
代金納付期限通知書の送達(2週間後)
売却許可決定が確定しますと、確定日から約2週間(東京地裁)で代金の納付期限(確定日から1か月以内)が定められ、買受人に代金納付期限通知書が届きます。代金納付期限までに必ず納付してください。期限内に納付しないと売却許可決定の効力を失いますし、入札保証金も返却されません。
代金納付・所有権移転登記(2週間後)
売却代金から保証金を差引いた金額と登録免許税を支払い必要書類(通知書・受領書・評価証明書・謄本・住民票・切手など)を裁判所に提出します。それを受けて裁判所は法務局に対して、所有権移転登記と買受人が引継ぐもの以外の全権利の抹消登記を嘱託します。そして1週間から2週間で裁判所から権利書にあたる「登記識別情報通知」あるいは「登記嘱託書副本」が届きます。
引渡命令・明渡し完了(1か月後)
売却許可決定後、占有者に対して引渡しの対応を行ない始めます。通常の場合は代金納付日から 1ヶ月以内に取得した不動産の引渡を完了致します。しかし占有者が任意に不動産を引渡さない場合は、その占有者に対して代金納付後直ちに裁判所に引渡し命令を申し立て,不動産引渡命令の主文を受領後、執行文付与と送達証明を取得し、執行官室で予納金を納付して、引渡の強制執行を申請(執行申立て)致します。申請後、担当執行官と催告日を決め、執行官・執行補助者・買受人で、占有者に対し引渡の催告を致します。 この時点で、ほとんどの占有者は明渡しをしますが最悪の場合は強制執行を断行します。