競売不動産のリスク
競売不動産を購入する際は何らかのリスクを伴います、そのリスクを正しく理解する力が大切になります。
建物の中を見ることができない!
一番のリスクは入札前に中を見ることが出来ないことです。
一般の不動産売買では契約前に物件の下見をして購入の判断ができますが、競売不動産では、ほとんどのケースで建物の中に入って見ることも敷地に立ち入ることもできません裁判所の資料「3点セット」で建物の内部写真や間取図などを確認したり、現地に足を運んで物件を外部から確認したりして総合的に判断するしかないので、修繕費などの見込みが立てづらいのです。
- 解決ポイント!
- 競売不動産の調査は、ポイントを押さえた調査が必要です。占有者の状況、建物の瑕疵などリスクを正しく分析することです。その結果次第で入札価格にも差が生じます。また、1つでも不安な要素があるときは入札しない決断も必要です。
瑕疵担保責任を請求できない!
一般流通の不動産であれば宅建業法で保護規定があり売主に瑕疵(欠陥)担保責任を請求できます。
しかし競売不動産には、そもそも売主が存在しないので消費者保護規定がないのです。それゆえに競売不動産を手に入れた後で、建物に重大な欠陥や不具合があっても、すべて買った人が自己の費用で直すしかありません。瑕疵については裁判所の資料「3点セット」から、おおよその判断をするしかないのです。
- 解決ポイント!
- 3点セットを正しく分析して徹底した現地調査によってリスクを極力排除することは可能です。入札物件のリスクを推測して解決方法や落札後のコストを査定します。
占有者との明渡し問題がある!
競売不動産を取得しても占有者がいる場合は、すぐに住もうとしたり利用できる訳ではありません。
明渡しの問題を解決する必要があります。基本的に落札者(購入者)が占有者と交渉を行いますが、一般の方では交渉が円滑に進まない場合が多いため、立退きまで長期化してしまう危険性があります。
- 解決ポイント!
- 3点セットの物件明細書に「買受人に対抗できない」との一文があれば「引渡し命令」の対象となり、1か月半程度で立退きが可能です。また対抗できる賃借権であれば「6か月猶予」の期間を待って退去させることが可能です。それ以外の複雑な場合は入札前に競売代行会社に相談することをお勧めします。
物件を選択する時間が短い!
一般の不動産売買であれば選択の時間が充分にあります。不動産競売では裁判所が公告した日から入札の締切日まで約3週間あまりの短い時間しかありません。その期間内で裁判所の資料「3点セット」を読み解き、現地調査も行ない、リフォーム代金や明渡し費用などのコストも考慮して入札金額を決めなければなりません。
- 解決ポイント!
- 占有状況、物件の保存状態、公法上の規制、また、一般市場相場や周辺環境まで調べて価値とリスクを正確に分析します。結果によっては入札を止める勇気も大切です。複雑な権利関係など自己調査では不安な場合は、入札予定物件の調査を競売代行会社に依頼することも可能です。
落札できないことがある!
時間と費用を使って調査をしても必ず落札できるとは限りません。他者に落札されてしまうだけでなく、 取下げ・取消等で入札が中止となる事もあります。不動産競売はオークションと違い「一発入札」です。 一度、入札をしたら結果は開札日を待つしかありません。また人気の物件などでは時として入札価格が高騰する場合もあります、安値で購入できるという不動産競売のメリットが薄れてしまうこともあるのです。
- 解決ポイント!
- 東京地裁の落札倍率は売却基準価格の平均1.47倍です、神奈川・千葉・埼玉・茨城・群馬・栃木は1.3倍前後です。落札倍率を目安に入札価格を決める方法もありますが入札予定物件を徹底して調べることです。入札予定物件について解らない事を無くす事が、「競売不動産」落札への第一歩です。